こんにちは!ミユ(@miyuwinomics)です。
バタバタしていて更新がかなり遅くなってしまったのですが、先月のゴールデンウィーク中、仙台に行ってきました。
仙台のワイナリーといえば、秋保ワイナリー(仙台秋保醸造所)、仙台ではないですがすぐ南に隣接する川崎町にFattoria AL FIORE(ファットリア アル フィオーレ)があり、ラッキーなことに2軒ともお伺いすることができました。
今回はその様子をレポートしつつ、旅を通じて感じた仙台周辺のワイン産業の今後の可能性について書きたいと思います。
旅中は秋保ワイナリーの毛利社長に大変お世話になりました。まずはお礼を申し上げます。
はじめに:宮城県内のワイナリーを確認
宮城県というとワインより日本酒のイメージが強いかもしれませんが、県内には現在4軒のワイナリーがあります。いずれも設立4年以内です。地図で表すとこんな位置関係になります。
東日本大震災後以降、県内のワイナリーが増加
過去には県内唯一のワイナリーとして桔梗長兵衛商店さんが存在していましたが、残念ながら2011年の東日本大震災で津波の被害に遭い、ご主人も帰らぬ人となってしまいました。
今回訪問した秋保ワイナリーさん、Fattoria AL FIOREさんともに、奇しくもこの震災がワイナリー設立のきっかけとなりました。
2015年の秋保ワイナリー設立以降、宮城県では毎年1軒のペースでワイナリーが増えています。地図もある南三陸ワイナリーさんをはじめ、今後も増加が見込まれています。
ワイン産地としての認知度はまだ高いといえませんが、勢いのある地域であることは間違いありません。
では、旅のレポートに入ります。
秋保ワイナリー(仙台秋保醸造所)
仙台市は人口約100万人の東北最大の都市。その仙台の奥座敷と称される秋保温泉郷のど真ん中に佇むのが秋保ワイナリーさん。秋保ワイナリーについてはこのブログでも何度か書かせていただいてますが、ついに訪問が叶いました。
JR仙台駅から仙台西部ライナーというバスで西へ約30分。秋保の観光拠点「里センター」で下車し、徒歩5分くらいのところにあります。
2015年にオープンしたワイナリーは、元々建築事務所で働いていた毛利社長によるデザインです。
ワイナリーを囲むようにぶどう畑が広がり、品種はメルローやピノグリ、ゲヴェルツなど多種にわたります。畑の向こうに見える建物は、温泉街のホテルです。
自社畑のぶどうで造られたワインはまだ少なく、私が試飲して気に入った秋保メルローも、ボトルは完売してしまったそうです。次のヴィンテージ待ってます!
建物の中に入ると、スタイリッシュな売店とカフェが。カフェではワインやシードルを有料で試飲したり、軽食をとることができます。
小さなワイナリーですが、お客さんは途切れることなく入ってきます。温泉街の宿泊客が散策がてら訪れることも多く、ゴールデンウィーク中は大忙しだったそうです。
秋保ワイナリーさんは、県内や隣の山形県でワイナリー開設を目指すヴィンヤードの委託醸造も手掛けています。この日もこちらで委託醸造をしている南三陸ワイナリーの庄司さんがいらしていました。
Fattoria AL FIORE(ファットリア アル フィオーレ)
秋保ワイナリーさんから車で20分ほど南下した川崎町の県道沿いにあるのが、廃校になった小学校の体育館を改装し、昨年オープンしたFattoria AL FIOREさんのワイナリー。
エントランス。体育館です。この左側が旧校舎で、「イーレ!はせくら王国」という農産品等の直売所やカフェなどの複合施設になっています。
近くにバス停等がないので、交通手段は車に限定されます。私は今回車でなかったので訪問を諦めていたのですが、取材ということで毛利さんがアテンドしてくださいました。本当に感謝です。
しかもこの日は、元々イタリアンのシェフとして知られる設立者の目黒さんが腕を振るう「オステリア アル フィオーレ」が期間限定でオープンしていて、目黒さんのお料理を目当てにたくさんのお客さんが訪れていました。
私たちも目黒さんのお料理と、ワインのペアリングを堪能させていただきました。※毛利さんは飲んでません。
サフランのリゾット。サフランやお野菜も地元産。
うっかり写真を撮り忘れてしまったのですが、エントランスを入ると、オレンジ色の照明で暖かい雰囲気のバースペースが広がります。普段はレストランはやっていませんが、ワインは有料で試飲できます。
その奥はいわゆる学校の体育館にステンレスタンクやアンフォラ(ワインを仕込む壺)が並び、何ともワクワクする光景が広がっていました。なんで写真撮り忘れるかな・・・。
アルフィオーレさんのワインは野生酵母で発酵させ、無添加のナチュールワイン。口当たりがとてもやさしく、食事とよく調和します。
こちらは青森産のスチューベン100%でできた「かもしかわいん」。
ちなみに私の訪れた日、目黒さんと醸造責任者の坂口さんがご入籍されたとのこと。おめでとうございます!!
ワイナリーを後にし、車で15分くらいのところにある自社畑にもお邪魔しました。ひっそりとして、どこの国にいるのかわからなくなるような壮観です。
仙台周辺のワイン産業の展望を勝手に考えてみる
では、ワイナリーを訪れた体験と毛利さんに伺ったお話を踏まえ、仙台周辺のワイン産業の今後の展望について考えてみたいと思います。
温泉街のアドバンテージを利用
まず、秋保ワイナリーの大きなアドバンテージは、温泉街のお客さんを取り込むことができる点です。
仙台市観光課の統計によると、秋保地区の2017年における年間宿泊者数は約90万人。仙台市全体の宿泊者数の15%程度を占め、多くの観光客が訪れていることが伺えます。*1
仙台駅からの交通アクセスが良いので、宿泊客だけでなく日帰り温泉のお客さんも多いと思います。私も日帰り温泉に浸かって帰りました。
また毛利さんによると、近所でワイナリー設立に向けて準備中の方がいらっしゃるほか、ブルーワリー(ビール醸造所)のオープン予定もあるとのこと。
温泉街との相互作用で、秋保エリアは今後さらに活性化することが予想されます。
*1 仙台市ホームページ「平成30年仙台市観光統計基礎データ」より。
川崎町へのアクセスをどうするか
Fattoria AL FIOREさんを訪ねるにあたり、悩ましいのが交通アクセスの問題。
下の写真は、秋保ワイナリーとアルフィオーレで配布しているパンフレットで、両ワイナリーを結ぶルートがわかるようになっています。
車を使えば決して行きにくい場所ではないと思いますが、貴重なワインの試飲ができる機会にハンドルキーパーは切ないものです。
これについては、秋保温泉を拠点にアルフィオーレさんまで巡ってくれる周遊バスがあったらといいなーと思いました。秋保エリアの今後の盛り上がり次第で、ぜひご検討いただきたいですm(_ _)m
番外編:松島で発見したワイン
ワイナリー訪問の翌日は、コテコテの観光客として日本三景のひとつ・松島に行ってきました。
絶景ですねー。
海岸沿いでセンスよさげな酒屋・むとう屋さんが目に入り、ふらっと寄ることに。
すると、南三陸ワイナリーさんのファーストヴィンテージを発見。
これはレア!!! さすが地元。即買いです。
店員さんが、このワインを見つけてテンション上がる私を見て「こんな人いるんだねー」と驚いてました^ ^;
まとめ
仙台周辺のワイナリーを訪れた様子をお伝えしました。
秋保ワイナリーさんとFattoria AL FIOREさん。機会があればぜひ訪ねてみてください。それぞれ違う雰囲気とワインが味わえます。
私は秋保温泉に新しいワイナリーがオープンする頃にでもまた訪れてみたいと思います。
「ワイナリー訪問記」的な記事は何気に今回初めてなのですが、そのうち他の産地についてもお伝えできればと思います。
ではではー
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