山形・長野・大阪が新たに指定!地理的表示(GI)ワインをおさらいしてみる

こんにちは!ミユ(@miyuwinomics)です。

6月30日、ワインの地理的表示「GI山形」「GI長野」「GI大阪」が国税庁から指定されました!!

パチパチパチパチ〜👏

すでに指定されている山梨北海道に続くのは長野か山形だろうと思っていましたが、なんと大阪まで・・・!!

コロナ禍の出口がなかなか見えてきませんが、日本ワイン、がんばってますね。

ワインの地理的表示については当ブログで度々取り上げていますが、ご存知ない方もいらっしゃると思います。今回は簡単に制度をおさらいしつつ、新たに指定された山形、長野、大阪のワインの特徴やぶどう栽培に適するとされる自然的要因について、国税庁のサイトに基づき整理してみたいと思います。

地理的表示(GI)とは?

地理的表示(GI: Geographical Indications)は、ある産品の特性が産地に帰する場合に、その産地を知的財産として登録し、保護する制度です。国が認めたブランド産地というわけです。

有名なところでは、神戸ビーフ夕張メロンなどがあります。農林水産物は農林水産省、酒類は国税庁が管轄しています。

地理的表示に登録されている産地をラベルに表示するには、所定の審査を通過する必要があります。その産地で生産されていれば無条件に表示できるわけではありません。

地理的表示に指定されるメリットは?

  • 産地のブランド価値が向上し、他の産地との差別化が図れる
  • 一定の品質が確保されていることを消費者にアピールできる
  • 不正利用は政府が取り締まってくれる

私たち消費者側のメリットとしては、商品選択の幅が広がることがあげられます。

ワインで言うと、EUなどに輸出するワインにも産地を表示できるというメリットがあり、海外での日本ワインの認知度向上が期待できます。

ワインの地理的表示

なお、ワインの地理的表示は、2013年7月に山梨(GI Yamanashi)、2019年6月に北海道(GI Hokkaido)がすでに指定されています。

地理的表示を使用するための条件は地域によって若干の違いがありますが、以下は共通の条件です。

  • その道府県内で収穫された、特定品種のぶどうのみを原料とすること
  • その道府県内で製造・貯蔵・瓶詰めされた「日本ワイン」であること

地理的表示「山形」の特徴

山形県は、山梨や長野に比べると認知度が低いかもしれませんが、日本ワインの年間生産量は全国4位で、ぶどう栽培は江戸時代、ワイン造りは明治時代に始まったという歴史ある産地です。

山形ワインの特徴は「ぶどう本来の味や香りが引き立った、爽やかな酸による余韻」だそうです。

白ワイン用品種はデラウェアナイアガラシャルドネ、赤ワイン用品種はマスカット・ベーリーAメルローが多く生産されています。(国内製造ワインの概況 平成30年度調査分より)

自然的要因:昼夜の気温差が大きく、降水量が少ない

米どころで知られる山形県。ワイン用のぶどうは、水田に適さない平野と産地の中間地域である最上川流域を中心に栽培されています。以下のような有利な自然条件のもとで、ワインに適したぶどうが造られます。

  • 傾斜地で水捌けがよい土壌 →適度な水分ストレスにより果粒の肥大を抑制し、味が濃縮される
  • ぶどうの生育期(4月〜10月)の日照時間が多い(1100時間程度)
  • ぶどう収穫時期の昼と夜の寒暖差が大きい →有機酸が蓄積されやすい
  • ぶどう収穫時期の降水量が少ない(800㎜以下) →病害が発生しにくい

地理的表示「長野」の特徴

長野県は日本ワインの生産量全国2位を誇る、言わずと知れたワイン産地です。ワインを活用した地域振興をうまく取り入れている地域であり、近年小規模ワイナリーが次々と参入しています。

長野ワインの特徴は、「ぶどう品種ごとの本質的な香味の特性がはっきりと現れたワイン」だそうです。

白ワイン用品種はナイアガラ、シャルドネ、赤ワイン用品種はコンコード、メルローが多く生産されています。中でも塩尻市桔梗ヶ原地区のメルローが有名です。

なお、通常の長野ワインより厳しい基準をクリアしたワインは、長野ワインプレミアムを称することができます。

GI長野のワインにはこのロゴが入っています。これはプレミアム。

自然的要因:山に囲まれ、標高が高く冷涼

総面積のほとんどが山地である長野県では、長野盆地(千曲川流域)、松本盆地(桔梗ヶ原)、伊那盆地(天竜川流域)におけるぶどう栽培、ワイン生産が盛んです。自然条件に関する主だった特徴は、次のとおりです。

  • 盆地周縁の扇状地は小石や砂混じりの土壌で水捌けがよい
  • 年間降水量が少なく(1000mm程度)、ぶどう栽培期の日照時間が多い(1200時間程度) →病害が発生しにくい
  • ぶどう栽培地の標高が高く冷涼で、昼夜の寒暖差が大きい →欧州系ぶどうの栽培に適する

地理的表示「大阪」の特徴

大阪のワイン・・・イメージがわかない人が多いかもしれません。日本ワインの生産量は170KL(平成30年度)と決して多くありませんが、ぶどう収穫量全国8位を誇る日本有数のぶどう産地なのです。ワイン醸造は大正時代から始まり、現在府内に6軒のワイナリーがあります。*1

大阪ワインの特徴は、「凝縮された果実味と穏やかな酸味やほどよい旨味を感じることができ、心地よい余韻が残る」ことだそうです。

品種は、食用としても長く栽培されてきたデラウェアが有名ですが、欧州系ぶどうも栽培されているようです。

*1 大阪ワイナリー協会ホームページより

自然的要因:丘陵地で日当たりがよく、降水量が少ない

大阪府の主要なぶどう産地は、奈良県との県境・金剛山山麓の丘陵地帯に位置する河内地域です。次のような、ぶどうの生育に適した地理的優位性を持ちます。

  • 丘陵地で日光が遮られることなく、日照時間が長い
  • 地質が花崗岩と砂壌土で構成され、排水や通風がよい
  • 中国山地や四国山地に季節風が遮られることで、年間を通して天候が安定し降水量が少ない

まとめ

いかがでしたか?

地理的表示というだけあって、産地特有の自然条件を活かして良いぶどうが栽培されることによって、ワインの特徴がより引き立つということですねー。今回は3地域を一気に紹介したので省略しましたが、人的要因、つまりその土地の人々が築き上げてきた技術や長い歴史も重要な要素になります。

国税庁のサイトで詳しく説明されていますので、もっと知りたいという方は下のリンクからどうぞ。

GI山形、GI長野、GI大阪のワインは今後市場にも出回ってくるかと思いますので、ぜひ注目してみてください!

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ではではー

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