こんにちは!ミユ(@miyuwinomics)です。
ニホンワインノミクス!というタイトルでブログを始めてはや5ヶ月。
ブログタイトルについて特に説明していなかったので、この辺で書いておきたいと思います。
ニホンワインノミクスとは?
〇〇ノミクスというと、アベノミクスやレーガノミクスが有名ですよね。時の首相や大統領の名前と「economics:経済学」の「nomics」を組み合わせて、「〇〇の経済政策」という意味の造語として使われるのが一般的です。
一方で、「〇〇による経済効果」という意味合いで使われることもあります。最近の例でいうと、将棋の藤井聡太四段の快進撃が62億円もの宣伝効果をもたらしているとされ、フジイノミクスとして報じられていました。
ニホンワインノミクスは後者の意味合いです。
要するに、「日本ワインによる経済効果」ということです。
ちなみに「ワイン+経済学」を表す造語としては、Winomics や Vinomics などがすでにありますが、「ニホンウィノミクス」ではちょっと何のことやらですよね・・・。
では、日本ワインによる経済効果とは具体的にどういうことなのでしょうか?
日本ワイン以外の、輸入原料が使われている国産ワインではだめなのでしょうか?
なぜ日本ワインなのか?
まず、輸入原料が使用されている国産ワイン(以下「輸入原料使用ワイン」と呼ぶことにします)がたくさん売れたときに得をするのは、主に次の人たちです。
- 生産者(企業)
- 生産者に雇われている従業員
- 税金が入ってくる国・自治体
- 海外の原料(ぶどう、ワイン)生産者
では、国産ブドウのみを使用する日本ワインがたくさん売れた場合はどうでしょうか?
- 生産者(企業)
- 生産者に雇われている従業員
- 税金が入ってくる国・自治体
ここまでは輸入原料使用ワインの場合と同じですが、日本ワインは輸入原料を使わないので、海外の原料生産者は登場しません。
その代わりに、原料を供給する国内のぶどう農家が利益を得ます。
つまり、輸入原料使用ワインの場合は利益の一部が海外へ行ってしまいますが、日本ワインの場合は、利益のほとんどが国内に留まり、企業や労働者、そして国に分配されることになります。
といっても、日本ワインの生産量は輸入原料使用ワインの約4分の1にすぎません。
それなら海外に出ていく分を差し引いても輸入原料使用ワインのほうが利益が大きいんじゃ?と思われるかもしれません。
たしかに、現時点ではそうかもしれません。
ただ私は、近年の国内の消費者へのワイン文化の浸透や日本ワインの国際的な評価の高まりも相まって、今後国内のワイン生産は輸入原料の使用から国産原料のみの使用へと徐々にシフトしていくのではないかと考えています。
しかしながら、日本ワインは原料ブドウ不足の問題ですぐに大幅増産するのが難しいので、長い年月が掛かると思います。
・・・と書いていたら、ちょうど今朝の日経新聞の朝刊でマンズワインが今年度日本ワインを3割増産するという記事を見つけました。ほら!*1
もう1点、輸入原料使用ワインと比べた場合、日本産100%というブランド価値を持つ日本ワインのほうが国際競争力が高い点も付け加えておきます。
日本産酒類の輸出拡大を推進する政府も日本ワインに注目しているので、販促面などで支援を受けやすい状況にあります。
他にも色々あるのですが、ざっとこのような理由で、私は輸入原料使用ワインよりも日本ワインのほうが日本経済にとっての重要度が高いと考えています。
*1 2018/2/3 日本経済新聞 朝刊「キッコーマン、国内製造ワインを25年度に3割増」より。
他産業や地方への波及にも期待
直近(2016年)の統計によると、全国各地に約280のワイナリーがあります。新しいワイナリーも続々とでてきているようです。
特に山梨県や長野県のようにワイナリーが集積する地域では、ワイナリーを巡るバスツアーやワインイベントなどが盛んに行われています。訪問する人が増えることで、旅行業者や飲食業、おみやげ屋さんなどの小売業を含む観光産業も恩恵を受けます。
ただし上に書いたように、今後日本ワインがさらに盛り上がって需要が増えたとしても、原料ブドウ不足の問題に直面します。
現在日本の農業は、農家の高齢化や農地の遊休化が深刻な問題になっていますが、ワイン産業も無関係ではありません。さらにワイン用のブドウは取引価格が安いので、ブドウ農家も生産に消極的といわれています。
一方で、意欲はあっても踏み出せない農家や、日本ワインをビジネスチャンスとみる企業、はたまた地方に移住してワイン用ブドウを作ってみたい!という就農希望者はいると思うので、そういった人たちが参入しやすい環境ができれば、少しでも原料不足の問題に立ち向かえるのではないかと思います。
いわゆる構造的な問題なので、政府や自治体のバックアップが欠かせないでしょう。
結果として、観光産業や農業が活性化すれば、新たな雇用や消費をもたらすなどしてその地域の経済に良い影響を与えます。
このように、ワイン産業の発展が地方経済の活性化にも繋がることも期待できるのです。
まとめ
日本ワインの経済効果として、次のポイントを挙げました。
- 利益のほとんどが日本国内で分配される
- 高いブランド価値や政府の支援により、輸出拡大の機会がある
- 農業や観光産業など、ワイン産業以外の産業にも経済効果が波及する
- 地方の活性化に繋がる
しかしながら、今回書いた原料不足の問題など、日本ワインには課題もたくさんあります。
このブログではそういった課題についても皆さんにお伝えしていきたいと思います。
ニホンワインノミクス。
安直なタイトルですが、自分がブログで書きたいことを一言で表せているので、わりと気に入っています。
タイトルに込めた思いが皆さんに伝わっていけば幸いです。
ちなみに「!」の意味はありません。勢いです。
ニホンワインノミクスがいつか実現することを願いつつ。
今後ともよろしくお願いいたします!
原料不足問題については過去の記事でも少し書いていますので、よかったらご覧ください^ ^
ではではー
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