こんにちは!ミユ(@miyuwinomics)です。
先週末、東京・渋谷区で開催された「LIFE with WINE #12」に初参加してきました。全国から造り手さんが集まる人気の日本ワインイベントです。
参加ワイナリーに最近クラウドファンディングを始めた造り手さんがいらっしゃるのを知り、気になったので日本ワインのクラウドファンディング事情について調べてみました。するとびっくり、LIFE with WINEに参加する複数の造り手さんが過去にクラウドファンディングを利用されていたのです。
というわけで、今回はクラウドファンディングの話題を交えながら、イベントの様子をお伝えしたいと思います。
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディング(Crowdfunding)は、企業や個人がインターネット上でプロジェクトを起案し、支援者を募って資金を調達することです。日本では東日本大震災の後から注目され始めました。
支援金は一口数千円〜数万円程度の少額なものが中心で、支援者側もクラウドファンディングサイトにユーザー登録をするだけで始められます。
起案者は、サイト内の専用ページで製品・サービスの紹介やプロジェクトの進捗のレポートなどを情報発信することで支援を募ります。つまり、使いようによっては単に資金調達だけでなく、広告宣伝効果も期待できます。
クラウドファンディングには、購入型、寄付型、投資型などいくつかの形態があり、日本ではモノ、サービス、権利などがリターンとなる購入型が主流です。
矢野経済研究所の調査によると、2016年度の国内クラウドファンディングの市場規模は745億5100万円で、前年度のおよそ2倍でした。今後も拡大していくことが予想されます。*1
*1 国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2017年)
ワイン産業でも活用
図は、国内でメジャーなクラウドファンディングサイト3社(CAMPFIRE、Makuake、 Readyfor)に2018年6月6日時点で掲載されていた、国内ワイン産業関連のプロジェクト数と支援金額をプロジェクト終了日ベースで集計したものです。
プロジェクト数、支援金額ともに、右肩上がりになっているのがわかります。まだ6月ですので、2018年はさらに伸びるでしょう。
個々のプロジェクトを見てみると、ほとんどが購入型で、リターンとしては、
- ワイン
- 収穫・醸造体験
- ぶどう苗木のオーナー権
などが多く見られました。
起案者はワイナリーだけでなく、ワインを委託醸造する企業や、ワイン生産を通じて地域振興を図る団体など多様です。
LIFE with WINE #12 のレポート
LIFE with WINE(LWW)は、都内近郊で不定期的に開催される日本ワインのイベント。12回目を迎える今回は、全国から18人の造り手さんが参加し、54種類のワインが提供されました。会場は渋谷・青山通り沿いの国連大学内のイベントスペースです。
定員200名、7500円のチケットは完売。会場はとても賑わっていました。
入場時にワイングラスとグラスホルダーを受け取り、ワインは飲み放題、食事は都度現金払いというシステムです。
このイベントの何ともユニークなところは、造り手さんたちがお客さんに紛れて会場内のあちこちにいらっしゃるところです。ふと横を見たらいる!というかんじです。声を掛けると、みなさんとても気さくにお話してくださいます。
クラウドファンディングを活用された造り手さんにも何名かお話を伺うことができたので、簡単にご紹介します。
LWW参加者のクラウドファンディング事例
#1 福山わいん工房(広島県)
冒頭で「最近クラウドファンディングを始めた造り手さん」と書いたのがこちらです。
元料理人の代表・古川さんが広島県福山市で2016年にオープンした、日本では珍しいスパークリングワイン専門のワイナリー。使用するぶどうはすべて広島県産です。マスカットベーリーAのスパークリング3種類をいただきました。
クラウドファンディングはつい先月28日から開始されたばかりですが、現時点の支援金額は、目標50万円のところを190万円に迫る人気ぶりです。リターンは超熟スパークリングワイン「紅のうたかた」。15ヶ月間瓶熟成した限定品です。在庫がまだありますが、サイトをチェックするたびに減っています。下にリンクを貼りますので、ぜひチェックしてみてください!
#2 ベルウッドヴィンヤード(山形県)
前回東北ヴァンダジェの記事でも紹介したベルウッドヴィンヤードさん。
代表の鈴木さんは数年前まで同県の有名ワイナリーで醸造栽培を担当され、現在はぶどうを育てながらワイナリー立ち上げに向けて準備中。ワインは委託醸造されています。今注目の造り手さんです。
クラウドファンディングの募集は今年2月で終了してしまいましたが、ファーストヴィンテージのデラウェア微発泡ワイン「2017デラペティ」や非売品のワイン、収穫祭の参加権などがリターンで、支援金額は165万8000円と目標の100万円を大きく上回りました。
#3 フェルミエ(新潟県)
元金融マンのオーナーさんが脱サラして2006年に創業したワイナリー。
クラウドファンディングを使われていたのは少し前の2013年です。日本では栽培が難しいとされるピノ・ノワールのワイン造りにチャレンジするというプロジェクトで、苗木のオーナー会員などがリターンになっていました。支援金額は、こちらも目標の90万円を大きく上回る250万600円を集めました。
イベントでは醸造担当の西岡さんがブースに立たれ、同社のフラグシップともいえるアルバリーニョとカベルネ・フランのワインを振舞っていただきました(上の写真で手前の2種)。ピノ・ノワールもぜひ飲んでみたいです。
まとめ
クラウドファンディングとLIFE with WINE。
一見まったく関係のない2つの話題ですが、不思議にリンクしてしまったのでコラボレーションしてみました。
新興ワイナリーやこれからワイナリー起業をしようとしている人たちにとって、クラウドファンディングは資金調達と広告宣伝の2つの面でとても有効なツールです。国内では年々新たなワイナリーが生まれていますし、日本ワイン関連のクラウドファンディングは今後も拡大していくのではないかと思います。
実は、LIFE with WINEには他にもクラウドファンディングの実績がある造り手さんがいらしたのですが、お話を伺いそびれてしまったので次の機会に。
そして、今回ご紹介した福山わいん工房さんのプロジェクトはこちらから!!(※現在は募集終了しています)
ではではー
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