こんにちは!ミユ(@miyuwinomics)です。
2月15日(土)に台東区の東京産業貿易センターで開催された「第3回日本ワイン ピノ・ノワールサミット」に参加してきました。
日本でも愛好家の多いピノ・ノワールのイベントとあってか、会場は多くの人で賑わっていました。
ピノ・ノワールといえばフランスのブルゴーニュが有名ですが、近年は日本でも生産されるようになってきています。
今回はイベントの様子をお伝えしつつ、国内におけるピノ・ノワール生産の動向について確認してみたいと思います。
日本ワイン ピノ・ノワールサミットとは?
日本ワイン ピノ・ノワールサミットは、その名のとおりぶどう品種のピノ・ノワールにスポットを当てたワインイベントです。
主催は日本ワイン ピノ・ノワール実行委員会。2017年に初開催され、今回は第3回・2年ぶりの開催だったそうです。会場は、東京スカイツリーを望む浅草駅近くの東京産業貿易センターという都の施設。
午前中にパネルディスカッション、午後に試飲即売会という2部構成で、参加には前売チケットの購入が必要です。
前売チケットは2週間で完売
チケットは第1部と第2部の通し券が5000円、第1部のみが2000円、第2部のみが4000円。
昨年12月7日に販売開始しましたが、2週間後の20日に第1部が完売、その翌日には第2部も完売していました。定員はわかりませんが、会場の様子から300〜400名くらいかと思います。先日5分でチケットが完売した「Life with Wine」もすごいですが、このイベントも注目度が高いようです。
こちらが受付でもらう参加セット。
パンフレット、入場証のネックストラップ、第2部用のワインチケット10枚綴り×2。第2部のみ参加の場合は、ブルーの入場証です。
第1部:ピノ・ノワールミーティング
醸造家とぶどう栽培家によるパネルディスカッション
第1部の会場の様子。私が開始時間ギリギリで到着したときには前列のほうは埋まっていたので、後ろのほうに座りました。
正面で登壇されているのは、議長のワインジャーナリスト・石井もと子さんとパネリストの皆さん。
パネリストは、米・ソノマヴァレーでご夫婦でワイナリーを営むフリーマンヴィンヤード&ワイナリー アキコ・フリーマンさん、長野県の信州たかやまワイナリー醸造責任者 鷹野さん、富山県のセイズ・ファーム栽培醸造責任者 田向さん、ピノ・ノワール栽培で有名な北海道余市の木村農園園主 木村さんの4名。
石井さんの進行でパネリストが順に自社のピノ・ノワールの栽培や醸造についてコメントをしていくという流れで、ミーティングと称する割にパネリスト間のやり取りは少なかったです。とはいえ、ほぼピノ・ノワールだけについて語られるイベントなど少なくとも一般消費者向けには他にないですし、興味深いお話が聞けたと思います。
厳しい環境でもピノを造る
ピノ・ノワールは気候条件に左右されやすく、栽培の難しい品種として知られています。
ピノ・ノワール適した土地を探してワイナリーを開設したフリーマンさん以外の国内のお三方は、自社の土地がピノ・ノワールの適地でないと認識しながらも、それぞれの理由で良いピノを造るための試行錯誤を続けていらっしゃいます。その一方で、皆さんそれぞれの土地に適した他品種も造っていますし、ピノ・ノワールの栽培量を増やす計画はないそうです。
経営的視点で見れば、その土地に向いた品種だけに注力し、安定的に供給する方が断然効率的です。
しかし、ピノ・ノワールにはそれでは説明できない不思議な魅力があるのだろうと理解しました。第2部への期待が高まります。
第2部:ピノ・ノワール&日本ワインフェスタ
国内外のピノ・ノワールを中心とした試飲即売会
1時間のお昼休憩を挟んで、いよいよ試飲タイム。専用のグラスを受け取って再び場内へ。
会場は第1部と同じですが、ステージとイスは撤去され、ワイナリーのブースが設置されていました。国内の25ワイナリーと海外の2ワイナリー、輸入業者、実行委員会からなる33のブースにワインが並びます。
その数、なんと115種類!!
出展ワインのほとんどは、別に設けられた販売ブースで購入も可能でした。
試飲には受付時にもらったワインチケットが必要で、ワインによって必要枚数が異なります。
混雑が予想される第1部のパネリストと他いくつかのワイナリーの試飲には整理券が必要でした。
写真左下の札にある★の数が、試飲に必要なワインチケットの枚数です。なお、チケットは10枚1000円で買い足しできます。
海外24種+日本51種=計70種のピノ・ノワールを飲み比べ
ピノ・ノワールはブレンドも含め、70種類が出展されていました。日本ワインはピノ以外も出ていましたが、これほどピノ・ノワールが選び放題!という状況はなかなかないので、私はピノ・ノワールに絞って10種類を飲み比べました。
写真でお分かりになるかと思いますが、いちごジャムのような淡い赤色が特徴的です。
一方、香りや味わいはワインによって一様でなく、シロウトの私には「これ!」という特徴が掴めませんでした。しかし、ピノ・ノワールという品種が土地や醸造によってまったく違うワインになるということを体感できたような気がします。
チケット制で飲酒量をコントロールしやすいのも、私のようなついつい飲み過ぎてしまう人間にとっては良かったです。
といっても、チケット20枚では足りず、10枚(1000円分)だけ買い足しました。
ピノ・ノワールの国内生産動向を確認してみる
最後に、国内でどのくらいピノ・ノワールのワインが造られているのか調べたので、簡単にご紹介します。
ソースは、国税庁「国内製造ワインの概況」の調査統計データです。
下のグラフは、全国のワイナリーが受け入れたピノ・ノワールの数量の推移を受入形態別に表したものです。実際にワインに使われた数量ではありませんが、それに近い数値と思われます。
データが公表されている2016年以来、毎年増加しています。特に自社栽培の増加が顕著です。
なお、主要産地は2016年と2017年が北海道でしたが、2018年は長野県に変わりました。
ちなみに2018年度のデータはつい先日公表されたばかりなので、近日中にサマリー予定です!
まとめ
いかがでしたか?
日本のピノ・ノワールは今まさに発展途上です。造り手さんたちのチャレンジを応援しつつ、今後の動向もチェックしていきたいと思います。
1つのぶどう品種に特化したイベントってなかなかないと思うのですが、パネルディスカッションや飲み比べを通じて学ぶところが多かったですし、ピノ・ノワールという品種により興味を持ちました。ぜひ第4回もやっていただきたいです。
ちなみに今日新宿伊勢丹で開催中の「世界を旅するワイン展」でセイズ・ファームの田向さんにお会いしました。ピノも出されていたそうですが、もう売り切れてしまったそうです。24日まで開催していますので、お近くの方はぜひ!
ではではー
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